category: 本 売れ筋
DATE : 2007/10/21 (Sun)
DATE : 2007/10/21 (Sun)
走ることについて語るときに僕の語ること
村上 春樹
文藝春秋 刊
発売日 2007-10-12
作家兼ランナー 2007-10-20
私は、村上春樹氏の小説が良くも悪くも好きです。大まかな理由を挙げるならば、
「書き言葉が平易で、豊かな物語性があって、内容的には程よい深みにはまれ、臆することなく読み始められる」からです。
ですが、生意気に言うようですが、一読者として、正直氏は良くてB級の作家であるように思います。他の歴代の名立たる作家たちは、氏よりもさらに濃密に、人間の深淵や社会の欺瞞を追及し、作品によって表出させています。氏がこれだけ大衆に受け入れられる理由は、その「ちょうど良さ」、すなわち「純文学的な要素をもったエンターテイメント小説」を書き続けていることだと思います。
本書で氏は、「肉体を健康にすることによって文学の毒に耐えられる」というようなことを言っていますが、私は、やはり文学者とは、本当に真理を追求するならば、どうしても不健康にならざるを得ない種の人間であり、この意見は矛盾していると思います。本書で氏のランナーとしての生活や走ることへの情熱が理解でき、人としてとても健全なことだとは思いましたが、そういった感覚的な生活を送っていることから、氏の書く文章とその内容も感覚的なものが多く、ほとんどの作品が本当の意味での深みまで達せていないのかな、と思いました。
もしかしたら氏は、書くことよりも走ることへの情熱の方が強いんじゃないか?という疑問すら抱きましたが、とりあえずはまあ、読んでいて楽しかったです。そしてそれこそが私が氏に求めるものです。それでハーッと深呼吸してみると、やっぱり、なんだかんだ、こういうタイプの作家が居てもいいんじゃないか、そう思います。いつものことですが…。
さらに詳しい情報はコチラ≫
村上 春樹
文藝春秋 刊
発売日 2007-10-12
作家兼ランナー 2007-10-20
私は、村上春樹氏の小説が良くも悪くも好きです。大まかな理由を挙げるならば、
「書き言葉が平易で、豊かな物語性があって、内容的には程よい深みにはまれ、臆することなく読み始められる」からです。
ですが、生意気に言うようですが、一読者として、正直氏は良くてB級の作家であるように思います。他の歴代の名立たる作家たちは、氏よりもさらに濃密に、人間の深淵や社会の欺瞞を追及し、作品によって表出させています。氏がこれだけ大衆に受け入れられる理由は、その「ちょうど良さ」、すなわち「純文学的な要素をもったエンターテイメント小説」を書き続けていることだと思います。
本書で氏は、「肉体を健康にすることによって文学の毒に耐えられる」というようなことを言っていますが、私は、やはり文学者とは、本当に真理を追求するならば、どうしても不健康にならざるを得ない種の人間であり、この意見は矛盾していると思います。本書で氏のランナーとしての生活や走ることへの情熱が理解でき、人としてとても健全なことだとは思いましたが、そういった感覚的な生活を送っていることから、氏の書く文章とその内容も感覚的なものが多く、ほとんどの作品が本当の意味での深みまで達せていないのかな、と思いました。
もしかしたら氏は、書くことよりも走ることへの情熱の方が強いんじゃないか?という疑問すら抱きましたが、とりあえずはまあ、読んでいて楽しかったです。そしてそれこそが私が氏に求めるものです。それでハーッと深呼吸してみると、やっぱり、なんだかんだ、こういうタイプの作家が居てもいいんじゃないか、そう思います。いつものことですが…。
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