忍者ブログ
[2181] [2176] [2177] [2175] [2178] [2171] [2157] [2158] [2160] [2161] [2159]

DATE : 2024/11/23 (Sat)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


DATE : 2007/10/21 (Sun)
走ることについて語るときに僕の語ること走ることについて語るときに僕の語ること
村上 春樹
文藝春秋 刊
発売日 2007-10-12




作家兼ランナー 2007-10-20
私は、村上春樹氏の小説が良くも悪くも好きです。大まかな理由を挙げるならば、

「書き言葉が平易で、豊かな物語性があって、内容的には程よい深みにはまれ、臆することなく読み始められる」からです。



ですが、生意気に言うようですが、一読者として、正直氏は良くてB級の作家であるように思います。他の歴代の名立たる作家たちは、氏よりもさらに濃密に、人間の深淵や社会の欺瞞を追及し、作品によって表出させています。氏がこれだけ大衆に受け入れられる理由は、その「ちょうど良さ」、すなわち「純文学的な要素をもったエンターテイメント小説」を書き続けていることだと思います。



本書で氏は、「肉体を健康にすることによって文学の毒に耐えられる」というようなことを言っていますが、私は、やはり文学者とは、本当に真理を追求するならば、どうしても不健康にならざるを得ない種の人間であり、この意見は矛盾していると思います。本書で氏のランナーとしての生活や走ることへの情熱が理解でき、人としてとても健全なことだとは思いましたが、そういった感覚的な生活を送っていることから、氏の書く文章とその内容も感覚的なものが多く、ほとんどの作品が本当の意味での深みまで達せていないのかな、と思いました。



もしかしたら氏は、書くことよりも走ることへの情熱の方が強いんじゃないか?という疑問すら抱きましたが、とりあえずはまあ、読んでいて楽しかったです。そしてそれこそが私が氏に求めるものです。それでハーッと深呼吸してみると、やっぱり、なんだかんだ、こういうタイプの作家が居てもいいんじゃないか、そう思います。いつものことですが…。




さらに詳しい情報はコチラ≫


PR
忍者ブログ [PR]
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
忍者ポイント広告
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
ヤ・マナーミ
性別:
非公開
バーコード
カウンター
アクセス解析