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DATE : 2006/12/30 (Sat)
PLUTO 4―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (4)PLUTO 4―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (4)
浦沢 直樹 /手塚 治虫
小学館 刊
発売日 2006-12-26




間違うほど完璧!? 逆説的なロジックに人間とロボットの悲哀が。 2006-12-29
 原作を知らないので、純粋な浦沢サスペンスとしてすっかり虜になってしまっています。

共生していきたいはずの「ロボット」と「人間」。しかしその存在意義は悲しいほど平行線

。なぜならロボットは人間に都合のいいようにしか作られていないからです。

 しかし、人間にとって、便利で都合のいい最高のロボット思い求めようと思えば思うほど、

必然的にロボットを人間に近づけていくことになります。感情を持ちロボットが究極的に

人間に近付いたとき・・・。ロボットは人間の制御という手かせ足かせから逃れ自らの自我

を解き放ち人に牙を剥くのでしょうか。

 4巻ではキーを握る天馬博士が登場しますが、彼は「挫折、強い憎悪、人を殺すかもしれ

ないほど強い憎悪こそが電子頭脳を育てる。間違う頭脳こそ完璧なのだ」と言っています。

間違うほど完璧。この言葉に思わずぞくっときてしまいましたが、巻を重ねるほどに謎が謎

を呼び、ロボットと人間の悲しい溝を深めていきます。悲しい溝を深めるのは果たして人間

のエゴか思い上がりか、それともロボットの究極的な自我なのでしょうか・・・。


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