category: 未選択
DATE : 2006/11/22 (Wed)
DATE : 2006/11/22 (Wed)
鋼の錬金術師 15 (15)
荒川 弘
スクウェア・エニックス 刊
発売日 2006-11-22
全ての人類に投げかけられた問い 2006-11-22
マルコー、ノックス、ホークアイの三者の視点を導入とするイシュヴァール内乱の記憶である。実際に戦争を体験したことのある読者は(日本においては)ごくわずかだろう。そんな我々にできうる限りの真実を伝えようとする荒川氏の苦心が見て取れる。「鋼の錬金術師」はフィクションの物語である。でもその中にある幾許かの真実を受け止められれば、氏の仕事は報われよう。
戦争の原因になり易いものの一つに宗教がある。今巻では大総統キング・ブラッドレイが、イシュヴァラという存在を一刀両断に切り捨てている。ここで注目したいのは、彼が「弾圧すべき民族の神」だから否定しているのではなくて、一般論として論理立てていることである。つまり、世界中の全ての神を否定しているのだ。確かに神とは人間が生み出したものだろう。なぜなら崇拝する人間がいなければ「神」という概念すら存在できないのだから。彼が論じて見せた「神の不在」に、真っ向から立ち向かう宗教家が現れはしないだろうか。各国語に翻訳され、海外の読者も多い本作である、どこかで議論を呼びはしないかと、不謹慎ながら楽しみにしている。
内容は申し分なく、その必然性も分かるのだが、主人公の活躍が少なくて寂しいので☆1個減。これは単なる感情の問題である。
さらに詳しい情報はコチラ≫
荒川 弘
スクウェア・エニックス 刊
発売日 2006-11-22
全ての人類に投げかけられた問い 2006-11-22
マルコー、ノックス、ホークアイの三者の視点を導入とするイシュヴァール内乱の記憶である。実際に戦争を体験したことのある読者は(日本においては)ごくわずかだろう。そんな我々にできうる限りの真実を伝えようとする荒川氏の苦心が見て取れる。「鋼の錬金術師」はフィクションの物語である。でもその中にある幾許かの真実を受け止められれば、氏の仕事は報われよう。
戦争の原因になり易いものの一つに宗教がある。今巻では大総統キング・ブラッドレイが、イシュヴァラという存在を一刀両断に切り捨てている。ここで注目したいのは、彼が「弾圧すべき民族の神」だから否定しているのではなくて、一般論として論理立てていることである。つまり、世界中の全ての神を否定しているのだ。確かに神とは人間が生み出したものだろう。なぜなら崇拝する人間がいなければ「神」という概念すら存在できないのだから。彼が論じて見せた「神の不在」に、真っ向から立ち向かう宗教家が現れはしないだろうか。各国語に翻訳され、海外の読者も多い本作である、どこかで議論を呼びはしないかと、不謹慎ながら楽しみにしている。
内容は申し分なく、その必然性も分かるのだが、主人公の活躍が少なくて寂しいので☆1個減。これは単なる感情の問題である。
さらに詳しい情報はコチラ≫
PR
忍者ブログ [PR]